南高梅

一粒300円!

一粒300円もする紀州福亀堂の南高梅の梅干しを頂いた。それにしても、この恭しい個別包装は…。ううむ。先日、この「南高梅」の名前の由来をテレ東(だったかな?)の番組で、母樹探しを手伝った「和歌山県立南部高等学校園芸科」だと知った私には、ちょっと大仰にしか見えない。「南のお高価い梅」だと思っていたサ。マジで。(笑)
私はこういうトリビア〜っな番組が好きだ。各局で戦国萌え歴女狙いの番組が増えているが、日テレで9日放送の「衝撃!女たちは目撃者・歴史サスペンス劇場」を観ていて一つ感心したことがある。直江兼続の酒盛りシーンで、ちゃんと濁酒が使われていたことだ。それに引き換え天下のNHK様は、幸村と兼続の酒盛りシーンで、なんと透明な液体を使用していた! この時代、既に清酒は開発されているが、灘や伏見のある近畿の有力大名ならともかく、越後の武将であればまだ濁酒だったのではないかと想像される。いくら今ではお酒の本場@新潟とはいえ、ちょっとリアリティに欠ける気がした。その、もし清酒であれば超高価な有難いお酒を、幸村は湯水の如くあおり、兼続は飲み難そうに無理矢理呑んでいた。史実では、兼続は六尺豊か(180cm程)な美丈夫で、景勝の方が小さかったとされる。妻夫木さんを使った時点で、本物の直江兼続ファンには腹立たしいのに、泣くワ暑苦しいワで、本物の目から鼻へ抜けるような才気がミジンコも感じられない# 景勝も、あんな描き方ではただの傀儡の木偶の棒ぢゃないか# 上杉景勝は、知れば知るほど魅力的な漢である。魚津城救援に向かう前、景勝が常陸佐竹義重に送った書状には「景勝はよき時代に生まれ、弓矢を構え、全国六十余州を越後一国で敵に回して一戦を遂げて滅亡することは、死後のいい思い出になります。(中略)この一戦に生死をかける面目は歓悦であり、天下の誉れです。人々は大きく羨みましょう。」と覚悟と気迫が滲んだ言葉が綴られており、家臣の本庄繁長も伊達輝宗に宛てて「全てを投げ打って景勝公の為に働く」と書いていて、彼が決して兼続べったりの凡庸な武将ではなかったことが解る。「名将言行録(江戸時代末期成立)」に、人となり沈着剛毅(落ち着いていて物事に動じない)、豪邁(性格が勇猛で人より優れている)にして大胆と謳われた景勝は、その上に結構、愛嬌もあった。威厳を保つ為か家臣の前では決して笑わなかったのだが、飼っていたお猿さんの愛らしい仕草に、うっかり生涯ただ一回だけ家臣の前で微笑んでしまったとか。きっと家臣のいないとこでは、ニコニコしながら超可愛がっていたんだろうなと想像がつく。また、正室菊姫の実家である武田家が滅亡した際、高野山に隠れていた菊姫の弟・武田信清を三千三百石で家臣として召抱え、この時代の戦国武将としては異例の懐の深さを見せている。秀吉の面前での前田利家との序列をめぐっては、上杉家の家系図まで持ち出すなど、頑固で一途で意地っ張りな人間的な一面も持っていた。こんな魅力的な素材を前にして、いくら兼続がドラマの主人公だといえども、一年間の長丁場、子役人気に頼る前に描くべき題材があるのではないだろうか? なお、兼続の妻お船には前夫との間に再婚当時八歳の息子がいて、兼続と再婚した際に出家させて家から追い出している。前夫の信綱は上野国総社「長尾家」の出であり、つまり主君景勝とは親戚筋。主命で入り婿したとはいえ、薪炭用人(樋口家は木曾義仲四天王の一人・樋口次郎兼光の後裔というのは、後世の脚色だろう。また、お船と従姉弟同士というが、与六の母は信濃の豪族・泉弥七郎重蔵の娘とする資料が多く、藤原鎌足の後裔である与板城主・直江景綱の妹とするには嫁先の身分が低すぎるので信憑性は低いと思う。樋口家は上田長尾家の家老クラスの重臣だったというのも、嫡男・次男を次々に養子に出した上に、樋口家は三男の与八秀兼が継いだが、秀兼の嫡男・光頼は次兄大国実頼の養子となりその家督を継いだのでここで樋口家は終わっている。大した家格では無かった証拠ではないだろうか?)の小姓上がりの小倅が、前夫の血筋正しき息子を直江家から追い出したのだから、お船&兼続はあんなキモ杉なオママゴト夫婦では決してなかったハズだ。お粗末と言わざるを得ない。歴女を満足させるのには、程遠い出来だ。因みに、兼続とお船がもうけた一男二女はいずれも子を生さないまま早世し、弟の大国実頼と仲違いしてまで娘婿に迎えた宿敵・徳川方の本多政重(本多正信の次男・正純の弟)も、何故か後に家を出て本多姓(正木姓とも)に戻り直江家は兼続の代で断絶している。しかし、追い出されたお船の前夫との子・神五郎は高野山金剛峯寺龍光院の第三十六世院主・法院権大僧都清融となり、寛永八(1631)年まで当時としての長寿を全うしているのは皮肉なことである。どうやら私、大河ドラマ天地人」のお陰様で、本物の直江兼続まで嫌いになってしまったようだ。(笑)
ところで、テーマが重すぎるので観ていなかった「アイシテル〜海容〜」だったが、遅れ馳せながらハマッてしまった。いや〜、毎回泣けるんだな。これが。原作もいいのだろうが、脚本も素晴らしい。逆にイチオシになるカモ?とまで言っておきながら、観なくなってしまったのが「夜光の階段」だ。携帯電話なんか小道具に取り入れてるくせになんだか古臭くて、心にすっと入ってこない。いっそ時代設定を原作のままにした方が良かったのではないかと思う。あと、もう今日で最終回(全3回)だが、「ツレがうつになりまして。(公式サイト)」がなかなかいい。脚本がいいのか?原田泰造さんのスクランブル交差点で立ち竦む無言の演技が秀逸だった。妻のダメな漫画家役が藤原紀香さんではどうなのかな?っと思っていたが、彼女、離婚して一皮剥けましたナ。ダイコンのイメージを払拭する当たり役だと思うヨ。(*^-^*)
Sea Monkey ^_~*